2009年6月8日
契約書などの法律文書には、例えば"hereby"や"herein"など、"here"に前置詞が結合した単語が頻出するが、この種の単語には辞書に記載されないものも多く、英米人でさえ見たことがないということもある。
この種の単語は、辞書にあろうが無かろうが、また辞書を見るまでもなく、「here + 前置詞 = 前置詞 + this writing (この書面)」のように解釈すればよい。また、"here"は元より「ここ(に)」の意であり、他方「ここに」は多少意味の広い言葉であるので、この種の単語は「ここに」と訳しても大てい様になる。
例えば、英文契約書の最初の部分に、よく"NOW THEREFORE, in consideration of the mutual covenants herein contained, the parties hereto hereby agree as follows:"とあるが、この場合、"herein"は「in + この書面」で、"hereto"は「to + この書面」で、"hereby"は「by + この書面」であり、また「この書面」とは「この契約書」である。従って、この用例の全体的な訳は、「よって、この契約に (ここに) 記された相互の誓約を約因として、この契約の両当事者は、この契約により (ここに) 次のとおり合意する。」となる。また、例えば、委任状に"I hereby appoint John Doe as a principal attorney."と書いてあれば、"hereby"は、「by + この書面」の意であり、「この書面」はこの場合委任状であるので、「この委任状により」の意となり、従って、全体の訳は、「私はこの委任状により (ここに) ジョン・ドウを主たる代理人に任命します」となる。
因に、この種の語は、法律文書に頻出する反面、普通の通信文ではあまり使われず、以前"herewith"が例えば"We are pleased to enclose herewith our brochures." (ここに弊社のカタログを同封致します。) のように使われたが、今はそれも見ないようである。