2009年6月1日
英語の契約書には、例えば”null and void”(無効で法的効力のない)のように、同じ意味の単語を2個以上並べて書くことが多いが、これは、ヴァイキングがフランス語によって英語に及ぼした影響の一つである。
ヴァイキングは、北欧の海賊であり、北方人(Northman)の意のノルマン(人)(Norman)とも言われるが、イギリス海峡に臨むフランス北部(今のノルマンディー)に侵入し、911年にノルマンディー公国を建設した。因に、ノルマンディーは、第二次世界大戦の末期(1944年)に英・米・仏連合軍が対独反攻上陸作戦を展開した地点であり、映画「史上最大の作戦」(The Longest Day)の舞台となった所である。
ノルマンディーに定住したノルマン人はフランス語を話したが、1066年にノルマンディー公ウィリアム一世(William the Conqueror)がイギリスを征服した。これにより、フランス語が英語に様々の影響を与え、その様な影響は法律英語にも及んだ。
ノルマンディー公の征服の後、イギリスでは、支配階級の王侯貴族はフランス語を話し一般庶民は英語を話していたが、法律用語は、一般庶民も解るようにするために、フランス語系と英語系を併記するようになった。例えば、”act and deed”(行為)や”covenant and agree”(同意する)などである。なお、この様に、最初は実際の必要性のためフランス語系と英語系が併記されたが、この慣行により、後には同義語を語系に関係なく併記また羅列するようになり、現在に至っている。例えば、”hold and keep”(持ち保つ)とくどい言い方をする。